「えっ!?藤原さん、カリーユニ点眼とか知らないんですか?」
な~んてこと言わないでね。
もちろん知ってますよ。
でも、あれ、毎回投薬しながら、「こんなハナクソ丸めて梅仁丹みたいな薬(笑)効くわけないやん!!」と思いながら出してる薬剤師の方、多いんじゃないでしょうか?
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僕は現場で白内障の目薬を出す患者さんには
こう答えています。
患者さん:「この薬で白内障治るんですか?」
藤原:「いえ、治りません」
患者さん:「???」
藤原:「白内障は手術以外では完治しないんですよ~。あくまで、これ以上白内障が進行しないようにするお薬です。」
患者さん:「そうなんですか~」
藤原(心の声):「はっきり言って、進行を遅らせられるかも疑わしいです」
でも、実は過去にもこういった「実は効かない薬」あるい「実は効いてなかった薬」が保険診療で認められて
薬価がついて、医療費(税金)が無駄になってた事例ってたくさんあるんです。
最近では、「ノイチーム錠」ですね。「慢性副鼻腔炎」に効果のある薬として、クラリスロマイシン錠と共に耳鼻科領域で
これまでどれだけ処方されてきたか・・・。
20年くらい前からすでに定番の処方です。
しかもノイチームって結構薬価高いんですよね。
1錠32.6円。
昔は今よりさらに薬価がたかかったはずなので、いったいこれまでどれだけの無駄がタレ流れていたとことか・・・・。
こんな事例、他にもたくさんありますよ。
例えば、武田のアバン、カラン。
脳代謝賦活薬として、「とりあえず年寄りに出しとけ!!」みたいなノリで処方されまくって
結局、再評価で効果は認められないということになり、市場から姿を消しました。
当時、「じゃあ今までの処方はいったい何やったん?」って強く思いましたね~。
で、カリーユニ点眼も早晩アバン、カランと同じ運命を辿るんじゃないかと僕は思ってます。
実は、厚生労働省研究班が「有効性に関する十分な科学的根拠がない」と2003年6月の日本白内障学会で発表しています。
もう10年以上前です。
「え!?マジ?」
でも、薬価収載して、保険医薬品として認めているのもまた、厚生労働省なんです。
♪いや、ちょと待ってちょと待ってお兄さん
効果はないけど薬ってなんですの?
説明しろと言われても意味わからんからできませ~ん♪ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ♪
なぜ、こういうおかしな状況になっているかと言うと、日本眼科学会が強くこの発表に反対したからです。
う~ん、製薬メーカー、学会、厚生労働省、政治家の癒着が見え隠れしますね~。
ちなみに眼科学会、数ある学会の中でも最も政治力のある学会のひとつなんです。
年取ると誰でも目が悪くなります。白内障はほとんどの人がなる病気ですし、オペしないと完治しない。しかもそれで死ぬことがない。まさにドル箱疾患なんですよ。
で、前置きはさておき(前置きで90%終わりましたが)、7月22日の「ネイチャー」に掲載された論文で、ステロイドの一種「ラノステロール」を主成分とする点眼で、献眼された人間の眼球の白内障が溶けるように
小さくなったと発表されました。
これってすごくないですか?
白内障の白い濁りってタンパク変性で不可逆的なものと思っていたので、驚きです。
あくまで、献眼された人間の眼球での実験結果ですが、将来的には白内障オペの必要がなくなるかもしれませんね。
少なくとも白内障の点眼だけに「目に見える」効果を期待できそうです。
うまい!!座布団3枚!!
医学の進歩ってすごいですね。
本日の笑点はこれにて、お開きに~!!
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