不良在庫。う~ん、悩ましい。
どの業界にもある不良在庫ですが、調剤薬局の不良在庫には特有のイヤらしさがあると思います。
僕が思いつく、自助努力ではどうしようもない部分を考察してみます。
続きを読む前に応援クリックして頂けるとうれしいです!
↓↓↓↓↓
つまり最小包装100錠単位の仕入れにも関わらず、処方される量は14錠だったり、8錠だったりするため、よほど頻繁に処方される薬以外は必然的に不良在庫化する。
あるいは、全く同じシップ薬なのに6枚包装と7枚包装などがあり、ドクターの処方が採用品目に合わせた処方数になるため、6枚包装のシップと7枚包装のシップを用意せねばならず、いかにも非合理的。
10年以上前は比較的返品に対して寛容だった卸さんも最近はひどく返品を嫌う。原因は製薬メーカーが返品の受け取りを拒否するため。
最近では頻繁に包装変更を行い、「包装変更前の旧品なので返品は無理です」とのたまう。
明らかに返品防止のための包装変更戦略に思える。
例)メーカー全般的 、GSKのディスカス類
期限が十分あるにも関わらず、より長い期限の商品が出荷され出すと短い期限のもの(それでも2年はある)は返品を嫌がられる。
例)ツムラの漢方など。
調剤薬局は正当な理由なく調剤拒否をできない。
たとえ、その患者が二度と来なくても、抗がん剤などの高い薬を含む処方せんを持ってくれば、薬を仕入れなければならない。
おそらくこのケースだと、処方せん1枚で利益どころか、赤字10万円になることもある。
あるいは、たとえその患者は二度と来なくても、在庫していないシロップ10mlの処方がくれば500ml仕入れて490mlは不良在庫化。
錠剤の場合で言うと、錠・OD錠。散剤で言うと、散とドライシロップ。
規格も2mg、4mg、8mg、12mgなど。
先発品なら処方されたら、そのすべてを用意しないとダメ。
特許が切れそうになると、製薬メーカーは合剤を発売して売り上げのカサ増を図る。あるいは、無理やり効能追加して、後発品を使いにくくする。
いったい同じような薬、どんだけ出してくるねん!というくらい各社発売してくる。例)DPP4製剤
当然、上記のケースでは調剤薬局は処方されたらすべて用意しなければなりません。
ざっと4つ、挙げてみました。
原因の根幹は大きく2つに集約されそうです。
1、製薬メーカーの無責任な販売姿勢。
2、医療システム上の不備。
さて、問題点が浮き彫りになったところで、解決策ですが・・・。
1と2は全く別物に見えますが、実は「製薬メーカー」と「医療システム上の不備」の間には「不都合な真実」が垣間見えませんか?
製薬メーカーに天下る役人はどこの官庁に所属しているのか?
あるいは、政治家に献金したり選挙の際の集票はどの組織や団体・法人が強いのか?
まあ、そんなところを考えて見てください。
で、僕がこの問題を合理的にできる立場ならこうします。
風邪薬などは除いて、慢性疾患薬は処方単位を縛り、流通単位と統一する。例えば処方単位は1ユニット14錠として、流通単位も1ユニット14錠とする。それに必要な日数や服用量を加味して14錠の倍数処方しかできないようにする。
シップなら5枚を1単位として、流通も5枚1単位ベースで行う。
処方は5枚の倍数処方とする。
製薬メーカーに対する返品もなくなるし一石二鳥ですね。
風邪薬や抗生剤などの急性疾患系はある程度の不良在庫化は仕方ないですね。今の薬価差益でカバーできる範囲でしょう。
錠剤で処方されていても、在庫がなければOD錠でも可能とする。
あるいはその逆も可。(先発品においても)
散で処方されていても、DSで等価の用量で調剤可能とする。
5mg錠で処方されていても2.5mg錠あるいは5mg錠で対応可能とする。
まあ、解決策1が実現すれば、患者さんが急ぎでなければその都度必要量を取り寄せることもできます。合剤や無意味な同種同効品の問題も解決できる。
とまあ、色々と問題があるように見えますが、実質的に解決策1を実現できれば、ほとんどのことは解決してしまうわけです。
さて、解決策は分かってもどうやって実現するかですね。
関連ブログ記事:調剤薬局の不良在庫売買ビジネス