MR(medical Representatives)は医薬品の適正使用を促進するために、医師、歯科医師、薬剤師などの医療従事者に自社の医療用医薬品の情報を提供します。また逆に医療機関を回ることににより、各医療機関で使用された医薬品の有効性や安全性、副作用などの情報をつぶさに収集する業務も担います。
MRになるには
まず大学を卒業して医薬品メーカーに就職します。その後、半年~8ヶ月くらいはMRになるための教育を受けます。
この教育研修を終えて、終了認定を受けたら晴れてMR認定試験の受験資格が生まれます。
MR認定試験の内容
1、疾病と治療
2、薬理学
3、薬剤学
4、医薬概論
5、PMS(製造販売後調査)
6、添付文章
以上6科目です。
薬剤師の場合は1、2、3の科目は免除となります。
さらにこの試験の合格後に150時間の実務教育と6ヶ月間の実務経験を終了すれば、MR認定証が交付され、MRになれます。
MRに対する藤原ナオヤのコメント
コラム「薬学部新卒の就職なら」でも書きましたが、私個人的にはMRの仕事は一度はやってみる価値があると思います。
一番大きな理由はやはり社会人としての必須の仕事の技術、マナーを叩き込んでもらえる点ですね。しかも会社のお金で。
正直、医薬品メーカーが新卒の薬剤師に投入する教育研修費用を回収するには数年はかかる言われるほど高額なものです。
また「営業」というスキルは、すべての業種の人間が身に着けなければならない必須のキャリアであると思います。もちろん薬剤師もです。
「いやあ、自分は病院薬剤師するから、営業なんて関係ないな~」とか
「営業ってセールスマンでしょう?薬剤師ともあろうものがそんな仕事できないよ・・・」なんて思ってる方もいるかもしれませんね。
私が学生時代の研究室の先輩は
「オレ、絶対にプロパー(MRの昔の名前)なんかやりたくない!!あんなんプライドが許さへん!!」
と断言してました。
でもね、皆さん。
本来、営業ってすばらしい仕事だと思うんですよ。
ともすれば営業って「人にモノを売る仕事」と誤解されがちですが、実際はモノではなく自分自身を売る仕事だと思うんです。
まず相手と信頼関係を築いて、相手のニーズを察知して、それに対応した商品を販売する。
MRはそんな仕事です。
またMRをおすすめするもうひとつの理由としては、生涯年収が非常に高いということです。
上位大手医薬品メーカーでは35歳くらいで年収800万円くらい40歳くらいで1000万に届くケースもあります。
調剤薬局の年収のMAXは600万円くらいですので、雲泥の差がありますね。しかも退職金などを考慮にいれると、生涯年収で億の差がでると思います。病院薬剤師の年収はさらに悲惨なことは皆さんご承知の通りです。
どの製薬メーカーがよいのか?
これに関しては様々な意見があると思います。
あくまで藤原ナオヤの個人的な意見として参考にしてください。
まず私は、私の友人でMRをやっている者と飲みに言ってるときに必ず聞くことがあります。
藤原の質問:「なあ、なあ、お前、もし、もう一回新卒に戻ったとしたら今の会社に入る?それとも別のメーカーに入る?それってどこのメーカー?」
何とも直球な質問ですね~。
で、私がリサーチした結果をご紹介したいと思います。
クイズ★現役MR100人に聞きました!今、入るとしたらどのメーカー?
第1位 武田薬品工業
日本一有名な製薬メーカーです。新卒の学生にも人気の会社。年収もいいです。ただ、武田薬品はかなり数字に厳しい会社で体育会式の社内カルチャーです。(ちなみ体育会を越えた軍隊式のカルチャーを持つのが小野薬品工業と言われています)
第2位 エーザイ
エーザイに勤めている方は非常に愛社精神の強い方多いです。居心地のよい会社なのか離職率も低いです。社内に学閥は一切ないですよ。
年収もよい。ただこれから売るものがなさそうでちょっと心配。 ⇒コラム「エーザイのリストラ」参照。
第3位 アステラス製薬
他製薬メーカーのMRから安定的に評価されているのがアステラス製薬。旧藤沢薬品と旧山之内製薬の合併会社。
番外編
1位 アストラゼネカ
世界屈指のオンコロジーに強い製薬メーカー。世界的に有望な会社ですね。
2位 GSK
M&Aで大きくなってきた歴史のある会社。グラクソ・スミスクライン
グラクソウェルカム+スミスクライン・ビーチャム・・・と、どこまで名前が長くなるのかな~と楽しみにしてたけど、GSKに落ち着いたのかな?
3位 ファイザー
売り上げ規模が世界一の製薬メーカー。とにかくノルマがキツイので有名。同じ地区でも領域ごとにMRが異なるので、誰が担当者がイマイチわかりません。
まあ、MR経験者なら妥当な順位かなと思いますよね。
MRはなんやかんや言っても売るモノがないと話になりません。
1位から3位までは会社のブランド力があって、しかも売るモノがある。MRは決算期が近づくと胃が痛くなります。前年の実績に対して、予算が割り振られているので大変なんです。そんなとき売る商品がないとどうしようもない。
現役MRが入りたい会社なんですから皆さんは是非参考にしてください。
おもしろいのが番外編です。すべて外資系。
1位のアストラゼネカ・・・。渋いですね~。
ここはオンコロジーがメチャクチャ強いです。イレッサではかなり揉めていますが、それでも抗がん剤の強さは世界屈指です。
さすが現役MRの意見は参考になります。
2位のGSK。ここも渋いですね~。
理由は売るものもあるし、居心地のよい会社だそうです。
3位のファイザー。
ここはMRの間ではノルマがキツいので有名です。
年収は実績次第。 かなりスゴイみたいです。
もちろん薬剤師MR以外にも、生保、損保、金融系、不動産系の営業経験者が転職でファイザーに来ます。逆にファイザーでMR経験していた人がソニー生命やプルデンシャル生命などに転職していくのも周知の事実。離職率が非常に高い会社です。
皆さん、どうでしたか?
参考になりましたか?こんな話、ウチのサイト以外ではどこにも書いていないと思います。だってあまりに生々しい現場の声ですから・・・。
まあ参考にしてください。
MRへの転職を希望される薬剤師の方はマイナビ薬剤師を利用するのがよさそうです。
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MRへの転職は意外に情報が少ないんですよ。マイナビ薬剤師の運営会社(株式会社マイナビ)がマイナビグループとして多数求人サイト運営しており、同系列サイトの非公開求人の中にMR案件を多数持っています。
ひとまずマイナビ薬剤師に登録して情報を探すのが近道ですね。
他の薬剤師転職サイトをチェックしても同様ですが、大手製薬メーカーのMR職募集は社名を絶対公開しません。
ですので、まず希望の製薬メーカーをいくつか決めたら、登録してそのメーカーの募集があるかどうかを探すのが定石です。
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