カナダで薬剤師になるには、大学に行く方法のほかに、書類審査といくつかの試験をパスする方法があります。
アメリカ同様、カナダも薬剤師資格を与えているのは州なので、最終的には州試験に合格しなければなりません。まずは書類審査があります。出生証明書、(婚姻により氏名が変わった人のみ)結婚証明書、学位証明書、成績証明書、薬剤師免許証、申請用紙です。英語で公的に証明する必要があるため時間がかかるので、注意してください。成績証明書で要件を満たしていないとされた場合は、州が提供する研修を受講するなどの必要があります。
書類審査をパスすると、Pharmacist Evaluating Examinationと呼ばれる審査試験を受けます。生物医科学、薬科学、薬局実務などの分野から出題される、選択マーク式の試験です。語学力ももちろん必要とされます。州により詳細は異なりますが、学生にはおなじみのTOEFLやイギリスでよく用いられるIELTSのスコアが基準となります。
IELTSではセクションごとの最低点が、TOEFLの場合はスピーキングとライティングの最低点が決められています。一例として、TOEFLスコアは580以上、TSEのスコアは50以上を合格とする州があります。
いずれにしても、ネイティブ並みのコミュニケーションができる語学力が求められます。審査試験に通ると次は資格試験ですが、その前にインターンを規定の時間終えている必要があります。州によって500時間、1000時間などさまざまですが、外国人が実務を学ぶのに500時間では短すぎるということで、短い時間が定められている州でもそれを超えてアルバイトやボランティアで勤務を続ける人も少なくないそうです。
続いての資格試験は、マーク式筆記試験とOSCE(Objective Structured Clinical Examination)という実地試験があります。その後は州によって追加の試験を行うこともありますが、州の規定を満たせば晴れて薬剤師となります。カナダの薬剤師はアメリカに流出する傾向があり、薬剤師不足が続いていたので外国人薬剤師は歓迎されていましたが、昨今のアメリカの薬剤師過剰によりカナダでも以前よりは薬剤師が充足してきました。とはいえ、アメリカよりは就労しやすいようです。
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