日本の薬剤師がアメリカで薬剤師として働きたい場合、もちろんアメリカの薬剤師免許が必要になります。
しかし、アメリカの薬剤師国家試験を受験できるのは、アメリカの薬科大学を卒業した人だけではありません。
アメリカにはFPGEC(Foreign Pharmacy Graduate Examination Committee)という外国人薬剤師を対象にした試験があります。
外国人を薬剤師として受け入れる制度が存在するのですね。アメリカでは各州ごとに薬剤師資格を発行していますので、州によって薬剤師になる条件は変わってきます。
以下は一例です。日本の免許を活かして薬剤師になりたい場合、まずはFPGEC、TOEFL、TSEという3つの試験の基準を満たす必要があります。FPGECは出題方法も形式も受験資格も合格基準も随時見直され変更されますので、常に最新の情報を確認してください。
かつてはいつでも受験でき、内容もほとんど臨床的なものだったようですが、2009年には実施は年2回・基礎化学も2割ほど出題されるなど時勢に合わせて 変わっていきますので、なるべく新しい傾向をつかんで学習します。TOEFL(Test of English as Foreign Language)は550点以上が合格です。こちらは国内でも受験が可能です。参考書も多いので対策は立てやすいでしょう。
TSE(Test of Spoken English)は50点以上が必要です。50点というとほぼネイティブ並みのスピーキング力が要求されますので、このTSEに通れず薬剤師になれないためテクニシャンとして働いている外国人薬剤師は多いそうです。
これらの試験をパスし、一定期間のインターンシップを終えると国家試験(NAPLEX)を受けることができます。6年ほど前までは薬剤師不足が後押しし、 外国人薬剤師も労働ビザを得るのは容易でしたが、現在、一流といわれる大学を卒業したアメリカ人でも薬学部卒業生の就職率は芳しくなく、外国人薬剤師の就 労はかなり難しいようです。
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